仁明天皇の時代、信州信濃の戸隠山のとなり荒倉山に、素晴らしい 音色 の笛「青葉の笛」を持つ官那羅と言う者がいた。官那羅の吹く笛 の音は、 しじまを渡り都にまで届いたという。帝の勅命を受けた在原 業平は、笛の 名手に化け、官那羅の持つ「青葉の笛」をだましとる、 官那羅は「青葉の笛 を返すよう頼む、しかし業平は何本もの笛を取り 出してごまかそうとする。 そこで官那羅は手下の九鬼と御影に笛を奪 い返すよう命じ、九鬼と御影は 女に化け、鬼となり館に入り「青葉の 笛」を見事に取り戻す。 笛を取り戻されたうえ業平は命をも奪われようとする。 諏訪明神に助けられた業平は・・・・・・・・・・・・。 帝の強欲な力によって人の幸せは踏みにじられ、しかも鬼にされて討 たれる官那羅、悲運の物語である。 |